サックス&バンドネオンの関係と発展

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サクソフォンとバンドネオンのコンサートツアー2023-2024 を行うにあたり、二つの楽器について短くまとめたものを整理しました。このコンサートは日亜外交樹立125周年記念事業としてアルゼンチン共和国大使館の後援をいただきました。アルゼンチンというと、2023年12月10日より大統領に就任されたハビエル・ミレイ氏の今後のアルゼンチン共和国の経済改革が今後どう世界に影響するのか、大変興味深いです。音楽を通して人々の心が豊かになりますよう、また世界とつながることを大事に今後も私たちは活動を続けていきたいと感じています。

意外な共通点!?
約180数年前、1840年代は二つの楽器にとってとても重要な年となります 。なぜかというと、両者とも同じ時代に誕生。元々発案された当時の思惑とは別に、当時の世界の流れによって、他の国々、大陸や文化を超え発展を遂げ現在に至ることになります。さらに、製作者の名前(サックスさんとバンドさん)にちなんでつけられた楽器であるということ。元々自分が生まれた場所から遠くかけ離れたところで、多種多彩な文化や音楽に触れ、自分らしさを追求し発展し続けているという点、ヴィレさんと私にも共通点があるような気がしています。

バンドネオンの起源
バンドネオンは、アルゼンチンやウルグアイなどのラテンアメリカ諸国の音楽文化において非常に欠かせない要素となっています。ドイツの楽器製作者ハインリッヒ・バンド(Heinrich Band)という人物によって開発され、彼の名にちなんで名付けられた楽器です。彼は19世紀に楽器の改良と発展に尽力し、バンドネオンはその成果の一部として誕生しました。もともとは音楽機器を改良し、さまざまな管楽器の特性を組み合わせて作られました。バンドネオンは野外での教会の儀式でパイプオルガンの代用として使われたり、クラシック音楽や民俗音楽の演奏で使用される目的で作られました。

アルゼンチンでの発展
初期のバンドネオンは、1870年代にドイツやイタリア系移民や船乗りによってアルゼンチンに持ち込まれたといわれています。その後非常に人気のある楽器となり、タンゴ音楽の発展に大きな影響を与えました。アルゼンチンのバンドネオン奏者たちは、この楽器を独自の演奏スタイルで演奏し、タンゴのサウンドに重要な要素を創り上げていきました。20世紀初頭から半ばにかけて、アルゼンチンの経済は総合的にみて非常に高い成果をあげ、同じくタンゴ黄金時代と重なりバンドネオンは重要な楽器となりました。

サクソフォンの起源
サクソフォンは、楽器の一種で、木管楽器と金管楽器の特性を併せ持つ特別な楽器です。サクソフォンは、ベルギーの楽器製作者であるアドルフ・サックス(Adolphe Sax)によって1840年代に発明されました。当初は軍楽隊で使用されることを意図して設計。フランスで初めて実用化されその響きと音域の広さから吹奏楽団、オーケストラなどでも使用されるようになりました。一般的なサクソフォンの種類には、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスなどがあります。

アメリカでの発展
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アメリカでは軍楽隊や吹奏楽団が盛んになりました。また、サクソフォンは幅広い音域、柔軟性、表現力豊かな音色を持ち、即興演奏や多彩なフレーズ表現に適しています。ジャズとサクソフォンの融合は、新しい音楽の可能性を切り拓き、ジャズ音楽の多様性と幅広さを支えました。ジャズ音楽の普及により、サクソフォンの人気が急速に広まりました。さらに、アメリカでは工業化が進み、楽器製造技術が進歩しました。このことが、サクソフォンの生産性を高め、一般の人々に手に入りやすくなった要因の一つで、そこからロック、ポップスまで、幅広い音楽スタイルでサクソフォンの存在感が増していきました。

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